(簡単)FIM運動項目 ④更衣(上半身) 誰でも採点しやすいように具体例たくさんあります。

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はじめに

服を着替えるということは、その時々のシチュエーションに応じて着る服を選択する必要があり、社会生活を送る上でも非常に重要な行為である。身だしなみでその人の第一印象は決まるし、オリジナリティー、アイデンティーの表現にもつながることである。自分で更衣ができないと外出することもできなくなります。

参考文献

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価 SIASとFIM[基礎編]

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価 SIASとFIM[実践編]

 

採点のポイント(これだけは押さえておこう)

・この項目では腰より上の更衣、着用している場合には義肢、装具の着脱も含む。ただし装具は主な更衣動作ではないので介助で装着しても5点までしか下がらない。

入浴前後の着脱は特殊状況なので、採点しないことになっている。ただし入浴前後しか着替えない場合はしかたなくその状態で評価する。

・上半身の更衣は、衣服を「かぶる」「片袖を通す」「もう一方の袖を通す」「衣服を引きおろす」の4つの動作に分割して自分でどれぐらいできるか評価すると採点しやすい。

・前開きでもかぶりで着脱が困難な服でも、日常着ているものであればその服の介助量で評価される。たまに着る服は評価されない。

・パジャマを脱ぐ時は80%自立しており、衣服を着る時は50%自立している場合には、平均して良いこととし、50%以上75%未満を自分で行なっているため中等度介助の3点となる。しかし日内変動に関しては悪い方で採点する。

 

 

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点数 具体例
7点(完全自立) ・ボタンが多くついていてワイシャツのように見え、病棟の外を歩くのに十分かっこ良いパジャマを用いていて自立している。(「社会的に受け入れ得る」として良い)

衣服をかぶる、両腕の袖を通す、衣服を引きおろすことが自立して可能。

・ジッパーやボタンの着脱も自分でできる。

6点(修正自立) 義手を自分でつけて、それを用いることにより更衣が自立している。

・自助具(マジックハンド、ソックスエイド、ボタンエイド)・補装具を自分で使って自立している。

・前合わせをベルクロテープ留めにしてある衣服を使って自立している。

・通常の3倍以上時間がかかる場合。(私の施設では通常を3分としています。)

・端座位や立位では危ないため、臥位で着替えている場合(安全面の配慮

5点(監視・準備) ・監視、準備が必要。また更衣を続けるのに指図が必要。または洋服入れから取り出してもらうことが必要

・襟が立っていたり、ボタンを掛け違えたり、背中がめくれ上がったりの声かけが必要。

・服の裏表を口頭で注意される。

・衣装をタンスから取り出してもらう、脱いだ後の衣服を片付けてもらう。

・介助者が装具や自助具の装着を手伝っている場合。

・アームスリングをつけてもらっている。

4点(75%以上100%未満自分でしている) ・自分でかぶれるが、肩の部分がおかしいのを触る程度に手伝って直してもらう。

・ブラウスやシャツのボタンやジッパーのみ介助が必要だが、後は自分で着替えることができる。

・ブラジャーのフックをかけてもらうのみでブラジャーを腕に通すことやほかの服を着ることはしている。

・ベッド上でかぶり脱ぎをしているが、支えなしではバランスが悪いためガウン型の服の、首の後ろのひもを止めてもらう。

3点(50%以上75%未満自分でしている) ・トレーナーのみ着ていて、片腕を通し、頭からかぶり、もう片腕を通し、そしてトレーナーを胸から腹に引き下ろすという4動作のうち、両袖を通すことを介助してもらう(2/4はしていると考える)
2点(25%以上50%未満自分でしている) ・シャツで片袖を通してもらい、背中から腕を回してもらい、ボタンをしてもらう。
1点(25%未満しか自分でしていない) ・バスローブガウンやナイトガウンを1日中着用している場合は全介助と考える。

下着のみの自立

 

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