(簡単)FIM運動項目 ②整容 採点しやすいように具体的な事例多数あります。

はじめに

整容は人間が生きていく上で必ずしも必要なことではないかもしれない。しかし社会的な生き方をしていく上で、髭伸び放題や歯が汚い、口臭がひどい、虫歯だらけ、髪がボサボサではいろいろな不利益を被ります。退院後や施設の生活の中で人間性を維持していくには、整容が自立できることで生活の幅が広がっていくことでしょう。

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参考文献

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価SIASとFIM[基礎編]

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価SIASとFIM[実践編]

 

目次

1、採点項目

2、これだけは必ず押さえておきましょう(これは無視できないポイント)

3、整容の具体例

4、それぞれの項目の具体例

 

 

 

1、採点項目

①口腔ケア(歯磨き、入れ歯の手入れ、マウスウォッシュを使ったクチュクチュやうがいも含む)

②整髪(櫛で髪をとく、人によっては整髪料で整える)

③手洗い

④洗顔

⑤ひげ剃りまたは化粧が含まれる。(女性は化粧)

上の5項目以外は整容の採点対象に入らない(耳かき、爪切りなど)

 

 

2、これだけは必ず押さえよう。(これは絶対に無視できないポイント)

 

・口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、ひげ剃り(化粧)の5要素をそれぞれが5分の1(20%)ずつと考えて、しているパーセントを計算する。男性であれば、ひげ剃りと整髪を自分でしていて、口腔ケア、手洗い、洗顔は介助してもらっているとなると、40%となり25%以上50%未満となるため2点と採点する。

化粧をしていない女性や短髪やスキンヘッドで整髪の必要がない患者、また食後や就寝前にうがい、歯磨きの習慣がない人は残りの4要素を25%ずつに割り振る。3要素ができていたら75%以上していると考えられる。(75%以上、点数としては4点 最少介助)

・歯がないのでマウスウォッシュを使った洗浄やうがいのみしている人は口腔ケアと考えても良い。

・総義歯、部分義歯を使用している場合、義歯と自分の歯の両方について、自分で洗っている割合を求め、それを平均して採点する。

・各要素を「している」「していない」とは割り切れない場合には、各要素を20%ずつ分けて使えず、整容全体として本人がしている・介助の割合により得点をつけることになる。

・洗面所までの移動方法はどのような形でも良い。(歩行でも車椅子でも、介助してもらっても)

・自立の程度が異なっているという場合には、各要素の自立度の割合を平均しても良いこととなっている。例えば口腔ケアは準備、手洗いは最小介助、洗顔は中等度介助、整髪は最大介助、ひげ剃りは全介助という場合には、自立度は(100+75+50+25+0)÷5=50%で、中等度介助の3点となる。

Photo by Pablo Merchán Montes on Unsplash

 

 

3、整容の具体例

点数 具体例
7点(完全自立) ・誰にもみられていなくてもできている。

・何も言われなくても勝手に自分で完璧にしている。

6点(修正自立 用具の使用、安全性の配慮、時間がかかる) ・自助具を自分で手にはめて、口腔ケア、整髪を自分で行なっており、他の整容は自立している。

三倍以上時間がかかる

5点(監視、準備) ・水や櫛をベッド脇に持ってきてもらえば、入れ歯を自分で外して水につけ、髪を溶かし、手を洗えている。

・ほとんどのことに口頭指示をもらわないと整容を行えない。

4点(75%以上、100%未満している) ・全ての整容の項目に最少介助が必要である。例えば顎の下のみ髭を剃ってもらう。後ろ髪のみとかしてもらう。目のまわりのみ洗ってもらう。非麻痺側の指間のみ乾かしてもらう。

化粧をしない女性患者で、整容の残りの4活動のうち1活動に介助が必要である(75%以上していると考える)

3点(50%以上、75%未満している) ・歯磨き、整髪、手洗い、洗顔、ひげ剃りのすべての項目について、それぞれ50%未満はしている状態である
2点(25%以上、50%未満している) ・歯磨き、整髪はできているが、それ以外は介助が必要。

・全ての整容項目について半分以上介助してもらっている。

1点(25%未満しかしていない) ・意識障害などもあり、整容行為自体の評価もできない状態。

・全てにおいて介助が必要。

 

基本的には今までの内容で採点しましょう。

 

 

4、それぞれの項目ごとの具体例(ここまで細かく考えなくても、整容全体として「している・介助」のパーセントとして捉えて構わない)

要素 点数 具体的イメージ
口腔ケア ・好みやこだわりで電動歯ブラシを日常的に使用している

・総義歯、部分義歯の洗浄と口腔ケアが自分で行える。

・電動歯ブラシなしでは口腔ケアが自分で行えない。
・義歯を自分で洗うが介助者に洗浄液につけてもらう

・自分で歯を磨くが、すすいでもらう

・片麻痺患者で、口の開きにくい麻痺側の奥歯を磨いてもらう

・50%程仕上げが必要

・前歯のみ自分で磨く
手洗い ・石けんをつけてもらい、手を乾かして(拭いて)もらう以外は自分で行う。
・指間を洗ってもらう。
・片手を洗ってもらい、もう一方の手も一部洗ってもらう。
洗顔 ・顔を乾かして(拭いて)もらうのみ介助を要する。
・洗い残しを洗ってもらい、自分で拭く。
・髪を洗ってもらい、自分で拭く。
整髪 ・髪をとかせるが束ねてもらう。

・後ろの髪だけとかしてもらう。

 

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