(簡単)FIM運動項目 ⑨移乗:ベッド・椅子・車椅子 具体例あげています。

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はじめに

移乗ができることで、人間はベッドから離れられます。ベッド上だけの生活では、病気は治ったとしても日常生活を満足に過ごすことができませんし、二次障害も出てくるでしょう。人間らしい生活を取り戻し、社会復帰に向けての第一歩とも言えます。

 

 

参考文献

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価SIASとFIM[基礎編]

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価SIASとFIM[実践編]

 

 

採点のポイント

・臥位から椅子または車椅子に移る、往復動作全体が範囲である。主には座位から違う位置の座位に移る部分であるが、ベッドからの起き上がりも比重は少ないものの評価対象である。

・介助する人によって介助量が違う場合も、低い方の点数を採用する。

・パーキンソン病や重症筋無力症など症状の変化が起きるために介助量がその都度変わるという場合には、日内変動と考えて低い方の点数を採用する。

・歩行が主な移動手段である場合は起立動作も含む

 

 

移乗の得点イメージ

得点 内容
7点(完全自立) 何も使わずに乗り移る
6点(修正自立) 手すりを使って一人で乗り移る
5点(準備・監視) 助言されつつ一人で乗り移る
4点(75%以上100%未満している) もしものときに支えるよう、手を触れていてもらう
3点(50%以上75%未満している) 立ち上がる際に引き上げてもらう
2点(50%未満25%以上している) 立ち上がりと身体を回すのと、ともに介助してもらう
1点(25%未満自分でしている) 自分では何もしない。または二人介助

 

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移乗(ベッド・椅子・車椅子)の具体的採点例

点数 具体例
7点 ・自分で起きて立ち上がり、歩行器で移動して座る。

・手すりを使わず移乗できる。

6点(修正自立) ・義足を使用しているが、完全に自立している。(義足・装具の着脱は更衣の項目で評価)

・車椅子を用いて移乗が自立している。(車椅子のアームレストを持っている)

・手すりを用いて車椅子の移乗が自立している。

・手すりを用いて立ち上がり歩いている。

・張り紙やマーキングで動作手順を指示されている。(安全性の配慮)

・スライディングボードを利用して自立している。

5点(準備・監視) ・車椅子のロックや椅子の位置決めに介助または監視が必要である。

・布団や毛布の管理ができない(準備してもらう)ものの、一人で移乗している。

・移乗の直前に車椅子の向きを変えてもらう。(準備)

・車椅子のフットレストの上げ下げを介助してもらう。

・点滴スタンドや集尿器などを動かしてもらって、移乗しやすくなる介助を行なった。(準備段階)

4点 ・介助者が回すのに触る程度で、持ち上げることはない。

移乗の途中で点滴スタンドを動かしてもらった場合

・移乗の途中で車椅子を押さえてもらって揺れないようにすること

3点 手を添えてもらい、ある程度引き上げてもらうと可能である。

・立ち上がりはほぼできているが、回すのにしっかり持つ必要がある

ベッドからの起き上がりが完全介助(3点)で、乗り移りが完全自立(7点)である場合。

2点 身体を持ち上げながら、回してもらう必要がある(協力的)
1点 リフターに乗せてもらい、運んでもらう。

全介助で車椅子に乗せてもらう。

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