(簡単)FIM運動項目  ①食事 採点しやすいような具体例多数あり。

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はじめに

食事とは生きていく上で必ず行わなければならないことの一つです。栄養摂取だけでなく、趣味、嗜好、好み、喜び、交流などいろいろな広がりのある活動です。食事が自分で食べれないといかに大変なことか。点数化することで今後の生活の見通しも出てくる評価項目となっています。

 

参考文献

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価 SIASとFIM[基礎編]

実践リハビリテーション・シリーズ 脳卒中の機能評価 SIASとFIM[応用編]

 

1、評価のポイント(これだけは押さえましょう)

・配膳は含まれない。

・食事を口に運び咀嚼し嚥下するまでが範囲

・食事の途中に介助者が何かをすると4点以下になる。

・時間帯によって介助量に変化がある場合は、低い方の点数を採用する。(昼自立、夜介助等)

・介助量は、介助している時間の割合(%)で考える。

・薬を飲ませる行為は食事項目には入らない。

・もう食べないと言って手が止まった後に介助してもらって食べていた(1〜4点)

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2、実際の臨床場面での採点例

 

点数 具体例
7点(完全自立)

配膳、下膳は含まれない。

・全ての食事形態の食べ物をお皿から口まで運び、咀嚼して嚥下できる。(好き嫌いは含まれない。麺類は食べない等)

・飲み込みが悪いわけではなく動作も自立しているが、本人がお粥が食べたいと言っているという場合。

・箸は使えなくても良い。

・自分でエプロンをつけている。つけなくてもこぼさずに食事ができる

・介助食器を使っていない

・マーガリンやジャムを自分で塗れる。袋を開けれる。ヨーグルトやゼリーの蓋を自分で開けれる。

・インプラントを使用して食事が自立している

6点(修正自立) ・経管栄養であるが、チューブ類を自分で管理している。

・食事動作は介助がいらなくても厨房で食べやすい形態に変更してもらっている場合。(刻みやミキサー、ゼリー食の事。塩分制限や腎臓食、糖尿食などは含まれない)

・総義歯、部分義歯を使用して食事動作が自立している場合(準備や装着が自分でできる

・座ることができなくても、ギャッジアップのリモコンなどを使って、自分で姿勢の調整をすることができる。

・圧迫骨折などでギャッジアップ制限があり、食べやすいおにぎりなどへの形態変更をしている場合。

・食事時間が普通の3倍以上かかる。(男女差、年齢などもあると思いますが、私の職場では普通を15分〜20分と考えています。)

・自助具や自助食器を使用する

自分でトロミをつける

・食べ忘れを口頭にて指摘され自己修正できる場合。

5点(監視・準備) ・食事が配膳された後で食べ物をきざんでもらったりかき混ぜてもらったりする。

・別々の容器に出された食事を1皿にまとめた

配膳された後にトロミの微調整をスタッフが行う場合

・総義歯・部分義歯の装着や準備に介助が必要な場合。(義歯の洗浄は含まれない)

食事開始前に食器の位置を整える場合。(準備)

・食べ残しがあると指摘され、自分で食器の位置を変えたりできる場合。

・エプロンを介助者につけてもらい、自己摂取できる場合。(準備)

・牛乳のストローをさしたり、ヨーグルトやゼリーの蓋を開けたりの準備を介助者が行う場合。

・食べこぼしの後始末に介助がいる場合。

・ギャッジアップなどの姿勢調整を介助者が操作を行った場合(準備)

・自助具などをつけるのを手伝ってもらった場合。(準備)

・バター、ジャムなどを介助者に塗ってもらう

・醤油やドレッシングを介助者にかけてもらう。

・汚してしまうにも関らずエプロンを使わない場合。

4点

(25%未満の介助)

・最後に食器に残った食べ物をかき集めてもらう。

・口の中に食べ物が溜まっていないか介助者が確認する必要がある。

・誤嚥を防ぐためアイスマッサージなどの寒冷刺激を介助者が行う。

食事の途中で介助者が食器の位置を変更した場合。

・20分間自分で食べて、5分間介助してもらった(20%の介助)

3点

(中等度介助 25%以上〜50%未満介助)

・食事用の装具を装着してもらい、スポーンで食べ物をすくう際に介助が必要であるが、そこから口に食べ物を自分で運んでいる。皿の固定具と長いストローを用いる。

・フォークで食べ物を刺す介助が毎回必要

・半分と少し自分で食べて、残りを介助した。

2点

(最大介助 50%以上〜75%未満の介助)

・食べ物まで手を伸ばす、食べ物をすくう、そこから口まで運ぶ動作のすべてに介助を要するが、患者自身も多少協力をしてくれる。

・3分間自分で食べていたが手が止まってしまい、残り7分間介助して食べてもらった。

1点

(全介助 75%以上介助)

・咀嚼や嚥下は可能であるが、口まで運ぶことを全部やってもらっている。

・経管栄養で介助者が全て介助している場合。

・3食中、1食でも2食でも経管栄養を介助で行う場合(他の食事はたとえ自立していても、低い方を選択)

・CVポートなどを使用して主要な栄養管理を行ない、食事は自立だが点滴を自己管理していない場合。

・最初2分間は食べていたが、残り8分間は全介助で食べさせてもらった。

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